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  • 執筆者の写真ゆかり

Vol.5 ニュージーランド在住のぽんすけさん(トリプルネガティブ、再発)の乳がんストーリー

更新日:2023年7月27日

*ポッドキャストの内容を書き起こして記事にしています。読みやすさを優先して微編集を加えています。

*内容は、ポッドキャスト収録時点の話です。収録と配信までにはタイムラグがありますのでご了承ください。


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こんちわ(根治の輪)第5話のゲストは、ニュージーランドにお住まいのぽんすけさんです。


2018年に右胸の乳がんが発覚し、全摘手術をされました。シリコンのインプラントでの再建は術後感染など複数の問題が発生したため、インプラントを取り出して腹部の自家組織を使って再度再建されたそうです。


再建のフォローアップ手術を重ねて、乳がんの原発から約5年が経ってやっと一安心と思った矢先、形成外科の最後の検診で右胸の手術後付近で局所再発を偶然発見。


局所ではあるものの、再発ということで、手術で切除した後に、現在抗がん剤治療や放射線治療を含むフルコースでの治療をされていらっしゃいます。


ニュージーランドの医療事情、女子力が高い先生方とのご縁、ニュージーランド人のコメディアンで、末期がんをわずらうDai Henwoodさんの言葉” cancer doesn’t define me”に学んだ治療への姿勢、髪の毛がなくなっても限られた人にしか乳がんのことを話さない理由などなどうかがいました。


ぽんすけさんのインスタグラムのアカウントは、@taking_a_little_break です。


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ゆかり:今回のこんちわ(根治の輪)ゲストは、ぽんすけさんです。ニュージーランドにお住まいです。よろしくお願いします。


ぽんすけ:よろしくお願いします。こちらは、おはようございますなんです。


ゆかり:そっか。


ぽんすけ:これにはちょっと裏話があるんですけど。実は、ね、ゆかりさんはラスベガスにお住まいで、わたしはニュージーランドのオークランドなんですけど時差がすごいんですよ。


で、2人でインスタのメッセージ経由で何日の何時ねみたいな感じでインタビューの設定をお願いしていたんですけれど、わたしのほうが見事に間違ったタイムコンバーターという時差を計算するウェブサイトを使ってしまいましてですね。


朝6時にメッセージがゆかりさんからきていて、「大丈夫ですか?体調?」とかって。で、「え?16時じゃないの?」と思ってもう一回タイムコンバーターを見たら「あ、違う」っていうので、「すみません、今起きたばっかりなんでシャワー入ってきます」って(笑)。


ゆかり:すみません(笑)。


ぽんすけ:ということで、バタバタ準備もなくインタビューしていただくぽんすけと申します。今、ニュージーランドのオークランドに住んでいます。で、乳がんの経緯なんですが、5年前に原発の乳がんがあった以降、5年目にして再発ということで現在、フルコースで治療中のわたしです。


ゆかり:乳がんのタイプを聞いてもいいですか?


ぽんすけ:初発の時から一緒なんですが、ホルモンのエストロゲンとプロジェストロン(ERポジティブ・PRポジティブ)陽性で、HER2も陽性です。


ゆかり:トリプルポジティブですね。


ぽんすけ:初発のときはリンパの転移はなかったんですが、今回の再発で脇の下のリンパに一つ転移が見つかりました。ただ、遠隔転移は幸いなかったので、いわゆる”localized recurrence”とこちらで言うんですが、局所再発ということになっています。


局所再発の場合は原発のようにステージ設定は腫瘍内科の先生ではされないんですが、敢えてするならということで教えていただいたのが、ステージ2aです。


ゆかり:比較的早い段階で見つかったんですね。でも、今回再発が見つかった経緯というのが定期の検診とかではなかったんですよね?


ぽんすけ:そうなんですよ。ちょっと話せば長いんですが、原発の乳がんは5年前だったんです。最初の診断は、6年前にたまたま受けたマンモグラフィで、ニュージーランドで初めて受けたんですね。


ずっと14年くらいオーストラリアに住んでいて、その間に定期的にマンモグラフィを受けていたんですが、ニュージーランドに来て、年やし受けるかということで受けたマンモグラフィはOKだったんですね。


その後、なぜかみかんくらいの大きさのゴリゴリがある日見つかって。こちらでは、通常、先生に見てもらうのがいわゆるGP(ゼネラル・プラクティショナー)日本語でいうと家庭医みたいな感じで、眼科と歯科以外のすべての病気をその先生に最初に診ていただいて、そこから専門医に紹介していただく形になるんですね。


で、そのGPの先生に診ていただいたら、これはすごく大きいと。「今まで気がつかなかったの?」っていう話になって「いや、気がつきませんでした」と。「じゃあ急にこれだけ大きくなったのかしら」という話になって、すぐに専門医乳腺内科の先生に診ていただいたんです。


で、そのときのマンモグラフィであったり超音波であったり、バイオプシー(生検)の検査は、皮膚が成長してしまうような繊維腫(せんいしゅ)で良性だったんですよ。


それで経過観察をしましょうということで、その1年後にまたマンモグラフィを受けたときにたまたま診てくださった超音波の先生がかなり有名な先生だったらしく、お休みのどなたかの代わりに入られていたんですね。


その先生が、「去年からのちょっとした変化が気になるから、通常であればスルーするんですけど、今回生検してみません?」とオファーしてくださって。その生検の結果、乳がんだとわかったのが初発なんです。そこからリンパ節の転移がないのでいわゆる全摘で、右胸を切除して。


初発の乳がんに関しては、いわゆるDCIS(非浸潤性乳管癌)というのがありますよね、乳管内におさまっている。それが12cmくらいあってかなり大きかったんですね。で、そこからちょっとはみ出たものが何ヶ所かあって2mm以下だったので、抗がん剤なしでホルモン治療だけしましょうということになりました。


全摘でしたのでシリコンで再建をしたんですね。でも、どうしてもやっぱりシリコンが合わなかったみたいで感染症を繰り返して、一度抜去して今度は自分の腹部組織で再建したんですよ。


ゆかり:インプラントという異物が身体に合わなかったんですね。


ぽんすけ:そうです。だから、段階的に再建していったんですね。それで最後の直しの再建が2022年の5月だったんですが、あまりにも何回も感染症だの再建のやり直しをやっているので、形成外科の先生は珍しいケースということで学会発表用にずっとデータをとっておられてたんですよ。


通常はたぶん再建後の長期的な形成外科の先生のチェックってないようなんですけれども、たまたまわたしはケースとしてあがっていたので、最後の最後ですよということで去年の12月に先生の検診があったんですね。そのときに、再建した後の右側の乳房にケロイドみたいな傷のところに塊があって。


ちょっと気になるので「先生これケロイドですかね?」っていう話をしたら、「たぶんケロイドだと思うんだけれど、組織が皮膚なのか脂肪なのかで対応の仕方が違うから一回生検をしてみましょう」ということで生検をしていただいたら、乳がん患者なので乳がんの生検も足して調べてくださったらしいんですね。


で、生検の結果が乳がんだということがわかって。わたしの原発の乳がんでいくと、再発の可能性は本当に5%以下だったらしいんですよね。2-3%らしくて。


形成外科の先生もbreast surgeon(乳腺外科医)の先生も、再発はしないと思っておられたので。で、もうびっくりみたいな。5年後でちょうどホルモン治療も終わるタイミングだったんですね。


ゆかり:ホルモン治療って長いんですね。


ぽんすけ:えっと、5年される方と10年される方がいらっしゃいます。わたしは5年でした。で、2022年の12月にもう一度乳腺外科のほうに紹介していただいて、検査検査検査をして。


やっぱり再発で今回はリンパ節の転移があるということで、腫瘍内科の先生も含めて抗がん剤と放射線治療とその後のホルモン治療ということでフルコースでいきましょうとなったのが2023年の1月です。


ゆかり:あなたの場合、再発の可能性は2-3%ですねって言われていて、で、それも再発を懸念しての検査ではなかったじゃないですか。そういう部分もあったかもしれないですけど。それでいて、再発ですってわかったときってどんなお気持ちでした?


ぽんすけ:それがですね、ショックはね、実はあんまりなかったんですよ。逆にずっと一緒に再建で2〜3年お付き合いしていた形成外科の先生が泣きそうになっていて。なぜショックではなかったかというと、やっぱりかなり早期に見つけたっていう事実があったので。


他のインスタグラムでお話している ニューヨーク在住の日本人の方とも言ってたんですけど、”I’m blessed”っていう言い方を英語ですると思うんですね。私たちは守られているというかラッキーというか。なんかそういう感じがするよねっていう話をしたんですけど。


本当に今までいろいろ婦人科系の病気をすごくしてるんですね、実は。卵巣腫瘍やったり、これは良性だったんですけど、子宮頸がんもすごい初期の段階で見つけて問題なかったし。で、そういうことを考えると、今回もかなり初期に見つけたということで、あまりショックとかはなくて、まだ初期なので治療ができるっていう。


というのと、その形成外科の先生が本当に寄り添ってくれた今までの経緯があって。で、形成外科の先生が、英語でお話されるんですけど「あなたってさ、いつも最後の段階で”wrong side”(悪いほう)にいっちゃうのよね。でも、あなたはいつもそこから立ち直ってたじゃない」って言ってくださったんですよ。


なので、たぶん、彼女の言葉があって、そのショックを和らげてくれたのかなって思うんですね。いつも悪い方向でいってたけど、たとえばシリコンが上手くいかなくて何回も再建手術をしたとかあったけれど、いつもあなたはそれを乗り越えてたから今回もOKみたいな。


ゆかり:じゃあ、その先生の涙は、初期に発見できて嬉し涙ってことですか?


ぽんすけ:いや、やっぱりショックだったみたい。でも、寄り添ってくださったっていうのがショックにならなかった一つの原因でもあるかなと思いますね。


ゆかり:これまでも早期発見でなんとか乗り越えてきてらっしゃるから。ぽんすけさんのインスタを診ていると、オンコロジスト(がんの専門医)の先生とのやりとりみたいなのがすごく微笑ましくて。


ぽんすけ:女子力が高い先生なんですよ。お年でいうと、たぶん40代半だからオンコロジストとしてはベテランというよりは、若手でもないけれどっていう中堅どころになったくらいの感じで。もう、きゃっきゃっという感じで(笑)。すごく毎回診察できゃーきゃー言いながらお話できる。


で、実は形成外科の先生も前の最初に診ていただいた先生も女子力はみんな高くて。きゃーきゃー言いながら(笑)。


ゆかり:でも、それ大事ですよね。会いに行くのが楽しみで、エネルギーをもらって帰るみたいな。今は、抗がん剤治療の真っ只中ですか?


ぽんすけ:抗がん剤治療は3月から始めて、わたしの使ったのがドセタキセルと、あ、名前が出てこない。これもケモ・ブレインだわ(笑)。


えっとね、ドセタキセルとカルボプラチンと、あとHER2プラスなのでトラスツズマブ。日本だったらハーセプチンというのを使っていると思うんですが、こちらだと同等品のヘルズマというのをわたしは使ってます。3種類で、TCHとこちらで呼ばれている。で、比較的スタンダードな組み合わせだそうです。わたしのようなトリプルポジティブの場合。


日本だと、たぶんこれにプラスして、ペルツズマブというパージェタって呼ばれてるんですかね、一般名で。それを足す方が多いと思うんですよ。わたしの場合足さなかったのは、パージェタというのがニュージーランドの場合は使用認可はおりてるんですが、政府のいわゆる補助が出ていないんですね。


プラス、わたしはいわゆるプライベート保険を使っているんですが、プライベート保険でも、ステージⅡAは初期なんですね。初期の場合はパージェタは対応になっていないから自己負担になってしまうと。


で、今回腫瘍内科の先生と、「パージェタを足すことよる上乗せ効果はどれくらいですかね?ここで、清水の舞台を飛び降りて足すだの価値があるか」っていう話をしたんですけど、2〜3%かなみたいな。ほんなやったらいりませんわって。


先生と話をしたときにですね、たとえば、もし再々再発が起こった場合、そのときにはたぶんパージェタが使えるんですよ。政府の補助で。なので、じゃあ、今回使わずにとっておきましょうかとかいうしょうもない話を(笑)。


ゆかり:いらないに越したことないけど。わかります。


ぽんすけ:なので、ニュージーランドでプライベート保険を使って診療してるんですけども、なかなか政府認可があるもの、かつプライベート保険でも使えるもの、上乗せ効果の有無とか、かなり深い話を先生とご相談させていただいたのは、そやなーという。


初発のときからもそうですし、形成外科の先生と再建の方法、シリコンにしないで自家組織の再生のときもかなり先生が真剣に向き合ってくださった。


で、もともとオーストラリアにずっと住んでいたので、帰る可能性もゼロではないので、治療方針をオーストラリアとニュージーランドとでできるだけ同じ、両方で許可されていて、両方で一般的に使われているものを使いたいっていう希望をずっと出してたんですね。


オーストラリアとニュージーランドはだいたい似たような医療政策でやってるんですけど、一部政府の認可うんぬんは微妙に違うところがあるので、その辺りも先生が調べてくださったり、こちらも調べて協議ができたのでいい感じやったなと思います。


ゆかり:今診てもらってる女子力の高い先生とのやりとりはどんな感じですか?


ぽんすけ:だいたい最初に「どうだった?」(前回の抗がん剤)で始まって、世間話をして。


抗がん剤治療中にアメリカのハミルトンというミュージカルがニュージーランドであったので、乳がんの再発がわかる前に買っていたチケットだったので「先生行けますかね?」とかって言ったら、「わたしもそれ行くのー!」って盛り上がって。「大丈夫。投与の日は水曜日でしょ、免疫が下がるのはここだから大丈夫!あなた行ける!」っていう話で。


ちょうど同じ日にチケットを買っておられたことが発覚して、「ショーの前にディナーに行くならここよ」とか。わたしは気持ち悪かったので行けなかったんですけど。


なので、常にupbeat(明るい)で話をしてくれる先生でとてもいい先生ですね。


ゆかり:副作用で気持ち悪かったのでお食事はパスしたっておっしゃってましたけど、抗がん剤治療の副作用は何が特にきつい感じですか?


ぽんすけ:そうですね。最初ドセタキセル+カルボプラチン+ハーセプチン(同等品ヘルズマ) の組み合わせでやると、きつい方はものすごくきついらしいんですね。


ただ、わたしは初回のとき楽勝だったんですよ。一応仕事は休んでいたんですけど、楽勝やなとかって言ってたんですけど。でも2回目のときは水をあまり飲んでなくて、そこから吐き気というか吐かないんですけど気持ち悪くなった。


ただ、それ以外は特に問題はなくて、3クール目にその先生と事前協議とかって、作戦会議っていつも診察のことを呼んでるんですけど、作戦会議よーとかって言いながら。薬のとり方のパターンとかを細かく相談をして、吐き気なんかは先手必勝かなっていう話をしていて。


薬のタイプを変えて頻度をあげたり、量を増やしたり。あと、実際に吐かないので、たぶん胸焼けを吐き気と思っているのではないかという指摘があって、胸焼けの薬をひとつ足しましょうって。最初は1週間だけって言っていたのを2週間にしてみたり。


ちょっとずつ変えていったんですね。それで3クール目は上手くいったんですけど、4クール目が終わった後の5〜6クール目がきつかったですね。ドセタキセルは蓄積型って日本の方も皆さんインスタとかであげられてるんですけど、足がむくんで立てないとか。


ちょうどそのとき仕事も戻っていたんですね。投与後1週間は休んで、また戻るっていうパターンを取ったんですけど。足がむくむのと、あと息切れ。坂道が登れない、息が切れちゃうし、足が痛いしというので。


これはまずいなというので5クール目で先生に相談をしたら、いわゆる赤血球のレベルはギリギリだからっていう話だったんですけど、その後の血液検査で赤血球のレベルが低いというので、最後の最後の6クール目に成分輸血を2単位しましたね。だいぶ改善されたんですけれども、やっぱり足のむくみと爪。


6回投与で終わりだったんですけど、それが終わってから1〜2週間してから目の周りと顔に湿疹と腫れが出てきて、いま目が腫れてるんですよ。抗がん剤のドセタキセルが蓄積型だからかもしれないですけど、終わった後にきてるのが多いですね。


ゆかり:ちょっと時間差があるんですね。


ぽんすけ:皆さんがそうなのかわからないんですけども、むくみも湿疹も。あと、息切れもまだするので。


この間、インスタでコメントいただいた方とも話してたんですけど、手術が終わって抗がん剤がたとえば6クール終わって、それで終わりっていうイメージがありますよね。でも違うと。


その後、やっぱり副作用も続くし、精神的にも終わったバンザーイではないなって思うんですよ。


ゆかり:長い付き合いですよね。


ぽんすけ:付き合っていくものなんだなって。


ゆかり:たとえば吐き気とかはお薬を飲むとかできますけど、むくみって何かしようがあるんですかね?引くのを待つ?


ぽんすけ:どうなんでしょうね。マッサージされる方もいらっしゃいますし、いわゆる着圧ソックスを履かれる方もいらっしゃいますし。で、わたしのように何もしない、足をあげて寝るだけみたいな(笑)。


手術の後とか、抗がん剤の治療中にこちらでいうとCancerCouncil(がん評議会)みたいなところで「Pinc & Steel(ピンク&スチール)」っていうサポートプログラムがあるんですよ。ピンクっていうのが乳がんで、スチールっていうのが精巣がん(prostate cancer)男性の場合ですね。


その治療を受けておられる方に最初の1回か2回、無料でフィジオセラピスト(理学療法士)の人が、たとえば手術の後の腕の動かし方とか、リンパ浮腫(リンパを取られた方が腕が腫れる、むくむ)を予防するためにマッサージの仕方とかをトレーニングしてくださるんです。こちらがリクエストするか、先生が紹介してくださるんですけど。


で、抗がん剤始まったときに理学療法の女性の方、ちょうど初発の乳がんの手術の後に診てくださった方と同じところの方で、またそれできゃーきゃー言ってるんですけど(笑)。


その方は、わたしの場合リンパ浮腫ではないので、単に水分の蓄積。水分の蓄積だったら、んー、着圧ソックスかマッサージかな。でもなあみたいな感じでしたね。


これも時間なのかもしれないなって思います。で、あまりひどいようだったら、着圧ソックスを履いたらって感じで先生も言ってましたね。


ゆかり:抗がん剤治療をまだ続くんでしたっけ?


ぽんすけ:抗がん剤っていう形では6サイクルで、あとハーセプチン(同等品ヘルズマ) は分子標的薬なので抗がん剤ではないんですね。


なので、一応ラストケモ(最後のケモ)っていってナースさんに拍手してもらって、ケーキ食べながら最後は打ってたんですけど。女子力が高いクリニックなんですよ、なんでか。


ゆかり:それ、でもなんか励みになる気がします。


ぽんすけ:そうですね。男性の看護師さんいらっしゃるんですけど、同じノリで。


ゆかり:いいですね(笑)。


ぽんすけ:なので、続くんですが、いわゆるケモセラピーでいう形ではないので。で、今はちょうど放射線治療が今週から始まって15セッション。


ゆかり:抗がん剤治療の辛かった期間に、精神的にあー、あのときはちょっときてたなみたいなのってどんなときでした?


ぽんすけ:精神的にはやっぱりアップ&ダウン(浮き沈み)があると思うんですよ。まあ、でも、いわゆる女子力高い先生たちに言わせると、


「あなたほどポジティブに乳がんという現実を受け入れて治療している人はいない」って。Star patientでわたしのお気に入りの患者!とかって言ってくれたんですけど、ほんまかいなって。


ゆかり:患者の鏡ですね。


ぽんすけ:みんなに言うてるんちゃうの?とかって思うんですが(笑)。ただ、やっぱりアップ&ダウンがあるので。


あと、たまたまなんですけどね、ちょうど再発ですよっていう告知があったときに、こちらの男性コメディアンの方でDai Henwoodという方がテレビの番組の特別インタビューに出ていて。


「実は僕はterminal cancer(末期がん)なんです。ステージ4のがんなんですよ」って。大腸がんかな。ロングインタビューをやってたんですね。


コメディアンの方なので面白い方で、ニュージーランド人なんですれども。そのインタビューを見て、3つくらいかな、その言葉があー、そうなんだ、これから自分が再発で治療をしていく中ですごいなと思って聞いたのがあって。


Daiが言っていたのが、「僕は”fight cancer”(がんと闘う)んじゃなくて、”living with cancer”、がんと一緒に生きてるんだよ」って。英語でFワード(注釈:英語でがんに対してこの野郎!という意味で、F**k cancerというフレーズがある)ってあるじゃないですか。


でも、Fワードを使うようながんじゃなく、living with cancer。で、みんなね、それぞれのcancer story、がんのストーリーがある。”Everyone has their own story with cancer”だって。そやなって思うんですよ。


がんに罹患された方の話を聞いていても、みんなそれぞれ対応が違うし、それぞれのストーリーがあって。


一番すごい気になった言葉は、「”Cancer doesn’t define me”、がんということがわたしを形作っているわけではなくて、”How I respond to cancer defines me”、自分がどうやってがんに対して対応していくかが、わたしというものを対外的にも自分の中でも作っていく」っていう言い方をされたんですね。


で、それを聞いたときにまだ治療を始めてなかったんですけど、そやなーって思って。で、これからフル治療をするんだけれども、わたしがどうやってこれを受け止めるか。


泣き暮らしてもいいし、文句を言い倒してもいいし、それか、あー、まあしゃあないなって前の原発のときみたいに何とかなるさみたいな感じでやるのも、またわたしのやり方かなということで。


考えたときに、たぶん、ネガティブにやるよりも、ま、何とかなるわなみたいな感じで対応するのがわたしらしいんじゃないかなと思って。


あとはテキトーにやる(笑)。完璧主義者としてずっとやってきたんですけど、適当に力を抜くとかね。そういうのがいいんじゃないかなと。


で、CacnerCouncilはこちらの団体なんですが、無料でカウンセリングを受けられるんですよ。それで、これもまた女子力の高い若いカウンセラーのお姉さんなんですけど。


ゆかり:なんかきっと惹きつけるんですね、ぽんすけさんが(笑)。


ぽんすけ:わかんないんですけどね(笑)。今まで4回くらい、これは全部Zoomで話をさせていただいているんですけど。まだコロナとかインフルエンザとか、こちらは季節が冬場ですので。


それなりにアップ&ダウンの乗り越え方みたいなのをきゃーきゃー言いながら。


ゆかり:基本きゃーきゃーだけど(笑)。


ぽんすけ:そうそう。わたし、中身は関西人のおっさんなんで、女子力の会話はちょっと違うと思うんですけど、なぜかおっさんは女子力のある医療関係者とカウンセラーを惹きつけるみたいで。


ゆかり:でも、いや、ぽんすけさんもしっかりその中に入っていってますね(笑)。


ぽんすけ:なんかもう、こちらはおっさんが関西弁でしゃべってるような感じでやってるんですけど。本当にいい方にずっとあたっているので。治療としては本当に恵まれていて、わたしとしてはすごくハッピーです。


最初に一回だけ代打で診てくださった再発のときの男の先生でいらっしゃったんですが、すごく怖いというか。優秀だと思うんですけど。


ゆかり:シリアスな感じ?


ぽんすけ:すごいシリアスで。「何かあなたは私に助けてほしいことありますかね?」みたいな英語でさらっと言わはったんですけど。あかん、この先生って思って。なんかちょっと違うって。


「あなたとわたし」っていう言い方だったんですね。「わたしたち」ではなくて。で、今まで診ていただいた先生って全員主語が”we”だったんです。”What WE can do”。


でもこの先生は、「あなたはわたしに何をしてほしいですか?」だったので。あ、こりゃあかんとかって思ったら、たまたまクリスマス休暇でおやすみに入られるということでですね、違う先生に変わっていただけたという。ラッキー。


ゆかり:タイミングが素晴らしい。さっき、冒頭でちょっと話した、乳がんになったことで自分がこう変わりましたっていうお話を聞いてもいいですか。


ぽんすけ:わりと完璧主義者で、ものすごく力をどーんと、常に100%の力を出したいとか、ターゲットを高く設定してみたいな。で、仕事も家庭も常にがんがんいくタイプだったんですね。


で、それが前の自分だったんですけど、今はもうそんな頑張らんでええよみたいな。力を抜くところは抜いたほうがいいかなということで。ええ加減っていうわけではないんですども。


で、うちの旦那はイギリス生まれのオーストラリア人なんですけど、ええ加減なんですね。やっぱり。


ゆかり:やっぱりって(笑)。

ぽんすけ:彼の座右の銘がですね、”Always look on the bright side of life”、あかんときでもいつでもええとこだけ見ようぜみたいなタイプの人間なんで。


わたしは常にネガティブなところを探して、石橋を叩いて、叩いて、壊すまで渡らないみたいな性格だったんですけど。あー、これはいいところだけ見て力を抜いて生きるっていうのも一つあるかなということで、ちょっとだけそっち側に今は寄るようになりました。


ゆかり:やっぱりあれですか、治療中の辛いときだったり大変なときに寄り添う、相談する相手っていうのは旦那さんが多いです?


ぽんすけ:それが、わたしは旦那にはほとんど言わないんですよね。


ゆかり:あー、言わないですか。


ぽんすけ:そうなんです。よく皆さんに言われるのが、じゃあ乳がんであることをみんなに言っているかということなんですけど。言ってないんですね、ほとんど。


ゆかり:そうなんですね。


ぽんすけ:つるっぱげなのに、みたいな(笑)。


ゆかり:職場の人にも?


ぽんすけ:職場は、休暇をとりますので言わなきゃいけない2人ほどかな。あと、乳がんの経験者がお一人(インド系のオーストラリア人)と、ニュージーランド人の女性でご主人がかなり壮絶な抗がん剤治療を受けられて残念ながら亡くなってしまわれたんですけども、その人たち以外は言ってないですね。


日本の友達もあんまり言ってないですね。一人か二人。こちらは一人、乳がんで抗がん剤を去年か一昨年に終えられた人がいるので、その人とは仲がいいのでわりと話をするのと、残念ながら亡くなってしまわれたんですが、別の日本人の方と。


なぜ言わないかっていうのをよくみんなに聞かれるんですけども、なんででしょうね。やっぱり自分…うーん、あんまり考えたことがないですね。


ゆかり:違う目で見られるとか、その人にとってこれまでの自分と違う自分になってしまうみたいな?なんですかね、わたしも最初は言わないでおこうって思っていた口です。


ぽんすけ:うーん。たぶん、価値観とか分かち合える人には言ってると思うんですよ。あと経験された方であるとか。


こっちでほら、英語で”poor girl”、この人かわいそうとかって言うじゃないですか。表面的なかわいそうとかっていうんじゃないんだよなみたいな。


わたしとしては、いわゆるDai Henwoodが言っていたliving with cancerなので、別に特別な事象ではないと思うので。で、たぶんすべての治療が終わった段階でオープンにすると思います。


卵巣腫瘍とか子宮頸がんとかけっこういろいろやってるんですね、かなり大きいのを。終わった時点ではわりとオープンに話をして、で、これから経験される方に対してもアドバイスもしてましたし、いろいろサポートもしていたんですけど。実際自分が治療をしているときはなぜか人には言わないんですよね。


これはでも、わたしのすべてに対してのやり方だと思うんですよ。仕事とかでも、かなり問題があって辛いときにいろんな人に相談とかいうよりも、選んで話をする方なので。


ただ、たぶん治療が全部終わったらオープンになると思います。で、おせっかいおばちゃんになると思います(笑)。


ゆかり:サポートする側にまわるってことですね。


ぽんすけ:それが、いいことなのか悪いことなのかはちょっとわからないです。


ゆかり:でも、本人次第ですよね。人それぞれですよね、そこは。わたしの場合は、旦那と義母が言うことでむしろたぶん同じことを今やってる方とも繋がれるし、情報も入ってくるしオープンにすればいいじゃんって言われて。


で、自分が乳がんになって、乳がんになるとこんなことしなきゃいけないのよって発信することで、みんなもっとマンモグラフィ行ってよとか、もっと気をつけて、自分のおっぱい触ってって伝えられるかなと思って、もう顔出しで発信をし出したんですけど(笑)。


ま、でもわたしの場合、そうして良かったなとは思うんですけど、ぽんすけさんのなんと言うのかな、共感できる相手に伝えたいっていうのはすごくわかりますね。


ぽんすけ:なんででしょうね、すごく近い方に言えないのはなんででしょう。やっぱりそれによって関係性が変わるのが嫌なのかもしれないです。


ゆかり:それはありますよね。


ぽんすけ:たぶん、今までの話のなかで思われたと思うんですけど、けっこう強がってるじゃないですか、私自身。うちの子、成人してるんですけど、再発の話をしたときに「まーね、おかんは強いから大丈夫よ」って。You are alright, you are strongって。


で、わたしは常に強い母親を彼に対して演じていたので。演じていたというか、ほんまに強いとは思うんですけど。それがあるので、そこを崩したくなかったのかなとも思うんですよね。


だから、うちの息子も坊主にするときにやってくれましたし、がーっと。写真もいろいろ撮ってくれてるんですけど。


でもやっぱり泣いたところは見せたことはないっていうのは、わたしのなかでその関係性を崩したくない。友達とかもたぶん関係性を崩したくないから今のところ言ってないですけど。たぶん自分で十分言える状況になったら言うかなみたいな。


ゆかり:うんうん。最後に、これから乳がんの治療に向き合っていきますって言う女性たちにぽんすけさんが伝えたいこととか、伝えてあげられることって何かありますかね?


ぽんすけ:そうですね。たぶん、本当に人それぞれだと思うんですよ。で、皆さんがそれぞれ違うがんのストーリーをお持ちになってるし、これからなる方もいらっしゃると思うんですね。


やっぱり人生って予測できないので、いろんなことありますなーっという感じになると思うんですけど、そのときに自分から発信するのもその人だと思うし、自分でその対応をしていくっていうのもその人。


で、周りからの意見とか他の人から自分がどんなふうに見られているかを気にして辛い思いをするくらいだったら、本当に自分が信じてこれだけはやりたいとか、これだけは守りたいっていうことを軸にして辛い時期を過ごしていったらいいんじゃないかなと思います。


で、そのときにはチアリーダーみたいな、私の場合は女子力の高い医療軍団と、あとすごく価値を分け合っている乳がんの経験者、その人たちにはすごいオープンに話をするんですね。


なので、そういうサポーターの方をがっちり捕まえて一緒に寄り添って歩いてもらう。寄り添って歩いてもらうっていうのはすごい大切だなって思います。


ゆかり:だいぶ違いますよね。ちなみに、ぽんすけさんの周りにいらっしゃる同じ乳がんの経験者の方は対面で会う方もいらっしゃる?


ぽんすけ:ずっとオーストラリアに住んでいたのでオーストラリアに住んでいる友人とかはメッセージとかでやってますし、こちらは一人かなり調子が悪いときには食べ物を持ってきてくれたりとかっていうありがたい友人がいますし。


いろんな形で付き合いますし、インスグラム経由でメッセージを交換する方もかなり増えてきて。


で、わたしの場合はずっと海外に長いんですが、20年以上いろんな国に住んでるんですけど、楽だったのがベンチマークがない。比較しなくていいんですよ。


たとえば、たぶんわたしが日本に住んでいたときはいろんな治療の方法、近くにいる方と同じ状況なのに比較してたと思うんですよ。


なんとかさんはこれをしてるとか、なんとかさんはこういう状況なのに、わたしはできないとかって。こっちにいると、そういうベンチマークがないので、日本人の方が周りにいるわけではないので。そういう意味ではまあ我が道を行かせていただいているていう感じ。


だから、日本にいらっしゃる方もそんなに他の人がこれこれこうやっていうのは気になさらずに、我が道を行くっていうのもオプションかなと思います。


ゆかり:たしかに。わたしはわたしで。なんかその辺の開放感がありますよね。わたしもアメリカに住んでいて、人と比べるっていうことをしない、基本。なんなんだろう。


ぽんすけ:楽ですよね、ベンチマークがないっていうのは。


ゆかり:解放されるところはありますよね。でも、それって空気なのか。一時帰国するとたぶんわたしは日本人に戻るんですよね。こっちに帰ってくると、わーって放たれる感じで。


もうちょっとこっちのマイペースな気楽な自分になれるみたいなところがあって面白いですよね。


ぽんすけ:それでもやっぱり日本語でインスタをやるのは、それはやっぱりどっかで繋がりたいっていう相反してるんですけど(笑)。


ゆかり:いや、それは本当にそうですよね。


ゆかり:インスタはすごく拠り所にさせていただいてて。これからもブイブイ言わせようかなと(笑)。


ゆかり:ほんとですね。ブイブイ言わせてください(笑)。楽しみにしてます。


ぽんすけ:まあ、いろんなチャネルがあるので、いまは何個かチャネルをお持ちになられてとか思いますけど。


ゆかり:そうですね、自分に合った形でサポートを見つけて。ありがとうございす、ぽんすけさん。


ぽんすけ:あ、旦那が(ここで旦那さん登場!)(笑)。


ゆかり:いま旦那さんが後ろに入ってきました(笑)。ありがとうございました!ぽんすけのインスタはポッドキャスト のエピソードのメモ欄のところに記載をさせていただきますので、ぽんすけさんをぜひフォローしてくださいませ。これからも発信を楽しみにしています。


ぽんすけ:はーい、ではありがとうございました!


ゆかり:今回のゲストはニュージーランド在住のぽんすけさんでした。ありがとうございます!


ぽんすけ:はーい、さようなら!


ゆかり:さようなら!



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