*ポッドキャストの内容を書き起こして記事にしています。読みやすさを優先して微編集を加えています。 *内容は、ポッドキャスト収録時点の話です。収録と配信までにはタイムラグがありますのでご了承ください。
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こんちわ(根治の輪)第8話のゲストは、長年保育士をされてきたMitoさん(@cocomirukye)です。
2023年4月8日に左胸の乳がんを宣告されました。サブタイプはるみなる Her2プラスでステージは2Aです。現在、術前抗がん剤治療、EC療法の真っ只中で、年内に手術を予定されていらっしゃいます。
Mitoさんには2人のお孫さんがいらっしゃるんですが、お孫さんに病気について話したところ返ってきた反応に衝撃を受けた話、あれだけは嫌だと思っていた抗がん剤を使った治療に対して前向きになるきかっけとなった映画のこと、ピンクリボンアドバイザー初級の資格取得への挑戦など、乳がんになったことをバネにするパワーを感じさせてくれる方でした。
本編でも話に出てきますが、Mitoさんとわたしは抗がん剤治療を1日違いで始めていて、それに勝手に親近感を感じているんですが、いつもチャーミングな投稿内容に笑わせてもらったり癒されたりしています。
それでは、Mitoさんの乳がんストーリーをお聞きください。
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ゆかり:こんちわ(根治の輪)第8話のゲストはMitoさんです。よろしくお願いします。
Mito:よろしくお願いします。
ゆかり:Mitoさんはインスタグラムでフォローさせていただいていて、さかのぼって投稿を拝見したら最初の抗がん剤治療が5月25日で、わたしは5月24日だったので日付の近さだけで親近感を感じて(笑)。まず自己紹介をお願いしてもいいですか?
Mito:はい。初めまして、Mitoと申します。2023年4月8日に乳がんを罹患していることがわかりまして、長年勤務していた保育園を抗がん剤治療を始めるにあたって体力面なども考えて現在休職しています。
実生活では、娘と息子がおりますけれども、それぞれ独立していて、主人と2人暮らしです。娘のほうに、小学校2年生と5歳の男の子、2人の孫がいるおばあちゃんで64歳になります。
ゆかり:ありがとうございます。最初に保育士をしていらっしゃるっていうお話から伺えたらなと思ってるんですけど、もうずっとですか?
Mito:そうですね。けっこう長くて。ずっと保育の仕事ばっかりしてたんでね、でもちょっと一回違う仕事もしてみたいなと思って10年間くらいはね、オフィスで働くような仕事をしてたんですけど、でもやっぱり保育の仕事が好きなので。はい、帰ってきてからもう15年ぐらいは今務めてますね。今の保育園に。
ゆかり:でも10年間、あいだを開けても戻りたいっていうのはよっぽどですね。天職というか。
Mito:そうですね。やっぱり子どもたちと一緒に過ごしている時間がすごく楽しくって。自分に一番合ってるのかなと思って。
ゆかり:Mitoさんの投稿にあったんですけど、乳がんだとわかってからいろんな検査をして結果待ちで治療方針を決めるまでの時間があるじゃないですか。
Mito:そうですね。その期間が一番わたしにとっては辛かったですね。
ゆかり:ほんとですよね。わからない状態がたぶん一番辛くって。でも、その間にもお仕事はまだ休職に入られる前だったのでお子さんと毎日過ごした…?
Mito:毎日保育園に行っていたので、身体も全然元気だったので通常に保育士の仕事をして、もういつも笑って過ごして。で、なんか帰ってきたらちょっと乳がんのことを思ってしまうようなこともあったんですけど、仕事をしているときは一切忘れられて笑ってました。
ゆかり:そうですよね。わたしも今5歳と3歳になったばかりの男の子2人いるんですけど、パワフルだし、すごい元気なので、あまりじっとしている時間がないのである意味それが救いになっているというか。子育てと治療との両立大変ですよねとか言われますけど、そういう良い面もあるかなって。
Mito:わかります。そうですよね。
ゆかり:Mitoさんはお孫さんに、2週間に1回とかFaceTimeをされるということで、そのときにおばあちゃんは今病気で治療してるんだよっていうお話をされたんですよね?
Mito:そうです、そうです。娘も子どもたちには伝えてくれてたんですけどね、わたしはわたしで。よく遊びに行ってたんですよ。
わたしは滋賀県で子どもたちは大阪に住んでるんですけれども、たまに遊びに行って泊まったりとかよくしてたんですけど、抗がん剤治療が始まるとちょっとそんなにしょっちゅうは行けなくなるのでっということで、事情をちゃんと話さないとと思って。
子どもたちにわかりやすいように、鬼滅の刃の話が好きなので、わたしががん細胞を鬼滅の刃のすごく悪い敵、上弦の鬼の細胞と闘うために、すごい強い抗がん剤っていうお薬を使ってこれからずっと敵をやっつけるために闘っていくんだよっていうようなことを伝えてました。
ゆかり:さすがですね。お子さんが自分に関連しているものに紐づけて説明してあげるっていう(笑)。
Mito :そのほうがわかりやすいかなと思って。
ゆかり:うん。それはわかりやすそう。どうでした、お孫さんは年齢が5歳と小学校2年生だと反応は違いそうですけど。
Mito:そうですね。5歳の子はあんまりよくわからない感じなんですけど、小学校2年生のお兄ちゃんはすごくよくわかってくれていて、FaceTimeで時々、1〜2週間に一回とか電話で話すんですけど、そのときにすごく心配してくれて。
いま大丈夫?体調大丈夫みたいな感じで心配はしてくれてるんですけど。この間、お話しているときにね、しばらくこっち来てなかったんですけど、今度コロナ禍が終わって4年に1回花火大会があるんですよ。
で、それでこっちに来ることになるんですけど、そのときにお母さん、自分の母親のことをすごい心配なあまりね、「母ちゃん、乳がんがうつったらどうするの?」って言ったんですよ。
で、わたしもそれを聞いてちょっと衝撃的だったんですけど。うつるって!と思って。でも、コロナ禍でね、コロナウィルスがうつるうつるって言われて育ってきてる世代の子たちなので、あー、うつるって言ってもそれは当然だなと思って。
ウィルスと細胞の違いなんてわからないですもんね。だから、もう、すぐに否定したんですね。がんはうつらないよー!って言って娘とわたしと必死で否定はしたんですけど(笑)。
でもね、これはちゃんと大人がしっかり子どもたちに教えていって伝えていかないといけないなって改めて思いました。
ゆかり:ほんとですね。その違いはわかんないですよね。なんでもうつってしまうものだってビクビクしなきゃいけない生活に慣れちゃってるからね。それを聞いてすごいわたしも衝撃、なるほどそう来たかって思ったんですけど、でもお孫さんたちにしてみたらすごい自然な反応だよなって。
Mito:そうです、そうです。
ゆかり:じゃあお孫さんたちに会えるんですか、近いうちに?
Mito:そうなんです、8月の始めにね。
ゆかり:いいですね、久しぶりですか?
Mito:そうです、久しぶりに会います。
ゆかり:ね、楽しみですね。大きくなってるかな。
Mito:すぐに大きくなりますもんね、子どもたちってね。
ゆかり:Mitoさんは今回の乳がんは初発ですか?
Mito:そうです、初めてです。今年2023年の始めだったと思うんですけど、お風呂に入ったときにちょっと触ったんですよ、しこりに。それがね、けっこう大きくって。あれ?!なんだろうみたいな、大きいなって。
でも、大きかったら良性っていうイメージが自分のなかにあって。勝手なイメージなんですけど(笑)。違うだろうなって勝手にすり替えていて、なんとなく現実逃避みたいな、違うかな、でも気になるなみたいな感じで過ごしてたんですけど。
3月ぐらいからやっぱり大きいって。で、変形するってよく言われてるじゃないですか、突っ張りっていうか。それもちょっと出て、見た目がちょっと突っ張ってるみたいな。
ゆかり:見た目にも。片胸だけね。
Mito:そうですそうです、左胸なんですけどね、わたしの場合は。で、やっぱり気になるなと思って、でも違うだろうと思いつつ、絶対大丈夫だよ!って言ってもらえる安心感を求めて検査に行ったんですね。それが、3月30日だったんですけど。
だから、大きい病院に行かずに、近くの乳腺クリニックにかかりました。で、マンモグラフィを受けたらしこりがうつってたんで、先生に「やっぱりしこりがありますね」って言われて。で、何か質問がありますかって言われたんですよ。え?質問?って。
で、「先生、わたしこれ乳がんですか?」って聞いたら、「いや、まだわからないですけど、はっきりわかるために検査しましょう」っていうような流れで。
ゆかり:それでマンモグラフィをしました。で、その後に生検とかをされたってことですか?
Mito:そうなんです。その日にすぐに針生検のもっと詳しくわかるやつですね。穿刺吸引細胞診(せんしきゅういんさいぼうしん)っていうのを受けました。
で、エコーを見ながら、よく皆さんがバチンバチンって音がするっておっしゃるやつ。それだと、けっこうはっきりと結果がわかって、サブタイプまでそれでわかったんです。それがわかるまで1週間ほどでわかったんですけど、もうその間もやっぱりモヤモヤしてました(笑)。はっきりわかるまで。
ゆかり:うんうん。それはじゃあ結果が出たから先生のところに行って。
Mito:それが4月8日で。「もうこれは間違いなく乳がんです」ってはっきり言われました。
ゆかり:乳がんのタイプとステージとかもその時点で教えてもらったんですか?
Mito:わかりました。えっとね、ルミナルBのHER2陽性タイプで、左胸浸潤性乳管癌で、しこりの大きさが4.5cmでした。で、しこりの大きさが2.5cm以上だとステージがちょっと上がるみたいで、ステージがIIAって言われてて。
で、わたしのその場合にKi-67(がん細胞の増殖力(増殖スピード)を示す指標)ってよく言われてるじゃないですか。それがすごく高値だったんですね、80〜90%だったんですよ。
で、だから悪性度が高くて進行が早いらしいんですよね。なんで自分で思うだけなんですけど、けっこう早い進行だったんじゃないかなって。大きさ的にね。自分で小さいときに発見できなかったってのは、けっこう早くに進行したのかなって思ってます。
ゆかり:じゃあ、検査結果で乳がんですってことがわかったタイミングで、もう治療の話とかも先生とした感じですか?
Mito:そうですね。そこの乳腺クリニックでは抗がん剤治療ができないのでって言われて、もう先生がはっきりね、「このタイプは抗がん剤がすごく効くタイプですから」って自信を持って言われたんですよ。
で、「自分の通える範囲のところを自分で病院を探してください、紹介状を書きますから」って言われて。で、ちょっと自分で地元の大きい病院を受診するのにいろいろ迷ってしまったっていうのもあって、ちょっと時間がかかったんですね。予約するのに。1ヶ月10日くらいね、次の受診まで期間が開いたんですよ。ゴールデンウィークもあったりとかしてね。予約とれなかったりとかして。
ゆかり:なんかその間、乳がんだってことがわかって、そのタイミングでのショックもありますよね。で、その後、次の受診まで時間が開くと、これがまた特にお休みとかもあると考える時間がそれだけあって、その時の心境はどんな感じでした?
Mito:そうですね。1ヶ月ちょっともあって、どんどん大きくなっていかないかな?とかね。すごい心配しました。でも、まあ先生いわく「そんな1ヶ月くらいで大きくならないよ」みたいな(笑)。自分ではすごく心配はしたんですけどね。
ゆかり:どういうことへの不安が大きかったですかね?まだ治療の話も具体的にはしてなかったんですよね。
Mito:とにかく抗がん剤の治療ですってはっきり言われてたんで。でも自分自身ね、抗がん剤治療っていうのが一番嫌な治療だったんですよね。何も思ってない、乳がんのこととかも何も知らないときに。
一般的に抗がん剤治療っていうイメージがね、すごく悪くって。すごい吐いたりとか、すごくしんどくなったりとか。頭が脱毛して毛もなくなってって。なんかすごく悪いイメージしかなかったので、抗がん剤治療だけは絶対したくないってずっと思ってたのに、なんか抗がん剤治療ですって言われてるから。はーって思ったんですね。
で、その時にですね、けっこういろいろ検索してしまうじゃないですか(笑)。
ゆかり:わかります(笑)。
Mito :検索したらダメだよって言われるんですけど、検索して。で、ちょっとインスタとかも始めたりとかして。
ゆかり:あ、そのタイミングで始められたんですね。
Mito:そうですそうです。そしたら、フォロワーさんがハーセプチンの開発秘話っていうのが映画になってるよって言うのを投稿されてて。へーすごいとかって思って。
どうやら、ハーセプチンっていうのがHER2陽性のわたしにとってすごく効くお薬っていうのがわかったんですよね。で、わたしAmazonプライムで「希望の力」っていう映画なんですけど。
1992年に、臨床試験が開始して、デニス・スレイモンっていうドクターがその開発をされたんですけど。治験に治験を重ねてすごく莫大な資金を投資して、ハーセプチンって言うお薬がね、開発されたわけなんですけど。
今まで、予後が悪いって言われいたHER2陽性タイプの人が、もうそのお薬ができたことによって画期的に生存率が上がったんですね。
っていう、その映画を見たとたんに、すごーい!わたしも早くハーセプチンを早く打ちたいってすごい思いました(笑)。すごい気持ちのてんかんがあって(笑)。すごく意欲的になりました。
ゆかり:うん。そうですね。それはなりますね。じゃあ、30年前に開発が始まったお薬の恩恵を、今乳がんの方は受けられるってことなんですね。
Mito:それがもう標準治療になってきてますもんね。
ゆかり:そうでしょうね、ハーセプチンってよく聞きますもんね。でも、すごいタイミング。だってインスタグラムを始めて、そこでいろんな方がいらっしゃる中でその情報を投稿した方にMitoさんが辿り着き、その情報を得たことでちょっと切り替えるきっかけになった。
Mito:まさにそうです。
ゆかり:すごいストーリーですね。
Mito:だからハーセプチン早く打ちたい!って思ってるのに、抗がん剤はECからだったんですけどね(笑)。ECを4回やった次です。ドセタキセルとハーセプチンっていう流れになります。
ゆかり:抗がん剤は何クールというのかな?
Mito:全部で8クールです。最初の4回がEC療法で、それが終わってからまた4回ドセタキセル・ハーセプチン・パージェタっていうDTX療法っていうんですかね。術前化学治療は。
ゆかり:で、手術で、その後は?
Mito:それは手術後ですね。
ゆかり:うんうん。じゃあハーセプチンはまだもうちょっと先だけど、でも、今のタイミングではEC?
Mito:ECを3回終わったところです。あと1回残ってるんですね。あと1回をクリアしたら次いよいよ尊いハーセプチン(笑)。
ゆかり:ハーセプチンさま(笑)。3週間に1回ですか?
Mito:そうですね。3週間に1回なんですけど、1回ね、主治医の先生が乳がんの学会があるっていうので1週間伸びたんですよ。
ゆかり:そういう伸び方もあるんですね。先生側の都合で。
Mito:で、まあ仕方ないなって言う感じで。次ね、今度また一回伸びるんですけど、それはちょっとわたしのわがままを聞いてもらって、どうしても孫たちに会いたいときにはちょっと健康でいたいので、元気でいたいので。1週間ずらしてもらって。調整もね、先生はすごいなんか聞いてくださって。
ゆかり:なるほど。それは先生は、まあ、1週間程度だったら大丈夫ですよみたいな感じ?
Mito:そうです。
ゆかり:でも、いいですね。なんか相性はいい感じなのかな、先生と。
Mito:今の先生はね、女性のドクターなんですけど、すごくよく話を聞いてくださる先生で話しやすいし。よかったです。最初の乳腺クリニックの男の先生はちょっと冷たい感じだったので(笑)。
ゆかり:もう淡々とみたいな。
Mito:そう。でも、はっきりと「あなたはこのタイプなんでこれが効くので大丈夫です」みたいな感じでハッキリおっしゃってくださったので安心感はありましたけどね。
ゆかり:うんうん。でもタイプがけっこう違いますね、きっと。
あと、Mitoさんはポートを入れないで抗がん剤治療をされてらっしゃるということなんですけど、そもそもポートを入れますか?って聞かれた感じですかね?
Mito:わたしの場合はね、聞かれなかったですね。最初からなんかわたしはね、昔からなんですけど、健康診断とかって血液検査とかするときもね、血管がすごいわかりやすいみたいでね。いやー、わかりやすいわってよく看護師さんに言われてたんで、もう全然すんなり入ってます。
ゆかり:あー、そっか。でも、刺さった後の動いちゃダメ、お薬が漏れないようにっていうのはあるんですよね。
Mito:EC療法の赤い点滴のお薬が、もうなんか液漏れすると壊死するみたいで。もう看護師さんが「このエピルビシンをするときは、わたし絶対死守するので動かないでくださいねー!」って言われてたんですよ。だからわたしも一切動かないように。
ゆかり:それ、右腕に点滴?
Mito:一回目のときにね、先生がね、なんか細い血管に打たれたので、わかい男の先生だったんですけどそこがね、いまだにちょっと黒ずんでて。
で、もうすごく心配になって、これ先生壊死してるんじゃないですか?ってこの前聞いたくらいなんですけど。でも、よくそういうことになるみたいで、しばらく治るのに時間がかかるけどこれは全然大丈夫、治りますからねっておっしゃってくださってて。もうそれがちょっとね黒いあざみたいになっています。
ゆかり:今、見えてますもんね。動いちゃダメっていうのは、別に何か腕を椅子に固定されてるとかではなく、自分の意志だけで動かさないってことですよね(笑)?それ、けっこう。
Mito:固定されてないんですよ(笑)。
ゆかり:飲み物をとるとか。
Mito:違う方の手でとったりとか。ま、でもね、それはね、15分〜20分くらいの間だけなんですよ。そんなに1時間かかるとかじゃないので、エピルビシンのときはね。だから、もうそのときはおトイレにも行けません、じっとしておいてくださいっていう感じなんです。その前におトイレ大丈夫ですか?って言われます(笑)。
ゆかり:必ず確認が(笑)。ま、どっちも、ポートはポートをいれてまた取り出すっていう一応小さい手術ではあるので。でも、その動かないのを死守するっていうのも緊張感ですね。
Mito:そうですね。緊張しますね。
ゆかり:そっかそっか。今のところ、抗がん剤の副作用はどんな感じですか?
Mito:今のところですね、見た目の副作用としては脱毛。頭は全部脱毛して、皆さんはまつ毛とか眉毛とかも言われるじゃないですか。それは今のところ大丈夫なんですよ。あと、爪の色素沈着があります。なので、それも最初から言われてて、マニュキュアを塗って保護してくださいんって言われてるんで。
ゆかり:そっか、保護の意味で塗るっていう意味もあるんですね。
Mito:保護の意味もあって、ま、見た目もちょっとね、黒ずんでるのでおしゃれの意味も両方ってことだと思うんですけど。
ゆかり:そうなんですね。それ以外は?けっこう聞くのは倦怠感とか吐き気とか。
Mito:抗がん剤を投与されて、やっぱりしばらく1週間ぐらいはね、やっぱり倦怠感があって。で、ちょっとだるさがあって。で、ちょっとね、吐くまではいかないんですけど、なんとなくムカムカしたりっていうのはあります。それはつわりのときに、食べづわりみたいな。食べないとちょっとムカムカするみたいな。
ゆかり:でも、わたしもそれ先生に言われていて、空腹感があると気持ち悪さが増すからちょっとずつでいいからこまめに食べてくださいって言われますね。
Mito:わたしもそうしてます。ちょっとなんかムカムカしたなーって頃にいろいろつまんだりとか。果物をつまんだりとかアーモンドをつまんだりとかっていう感じで。
けっこうね、絶えず食べてるのでなんか逆に太るなじゃないかなってちょっと心配してます(笑)。
ゆかり:でも食べられないよりいいかもしれないですね。特にフルーツとかナッツとかなら身体にもいいし。
あと、ジーラスト打ってらっしゃいますよね?あれもけっこう副作用というか骨の痛みとかあるって聞くんですけど、Mitoさんの場合はどうですか?
Mito:わたしの場合はね、初回は熱は出なかったんですけど、2回目3回目とね、ちょっと微熱が3日間くらい出るんですよ。37.6度とか37.8度とかの微熱が3日間くらい続いて。で、しんどいなっていう。でも家事とかは全然できて、普通に日常生活は送れるっていう感じです。
ゆかり:そっかそっか。ほんと人それぞれだから、まだ比較的良いレベルかもしれないですね、副作用。日常生活ができていらっしゃるっていうのは。
Mito:で、もう1週間から10日くらい過ぎてきたら体力も自然に回復してきて、なんかもう元気に過ごせるっていうか。
ゆかり:素晴らしい。あと、副作用で髪の毛ね、脱毛は皆さん免れないですけど、そのときの話がインスタグラムに投稿されていてすごく微笑ましいなと思ったんですけど。あれは、旦那さんの前でもう坊主にしちゃおうってなった感じなのかな?
Mito:主人が仕事から帰ってきたときに、ちょうどわたしがもう中途半端だったんですよ。もうなんか髪の毛が抜けてるんだけど、ちょっとこの辺は残ってるわみたいな。中途半端だったのがいやだったんで、自分でちょっとなんとかしようと持って切ってたんですね。
もともとね、ショートカットだったんですけど、でもすごいお風呂に入ってシャンプーとかするたびにごそごそ抜けて。ごっそり抜けますよね。で、もうすごい毎回貞子が出てくるかのような(笑)。
ゆかり:わかります(笑)。
Mito:で、もうそれが嫌だったんで、見た目もなんかまだらになっているのが嫌で。どうしても後ろが切れないから前屈みになって切ってたんですけど、何してるのー!って言って。やめときー!やめときー!って止められたんですけど。ちょっと後ろ切ってよって言ったら、そんなん俺は怖いからそんなんできひんって(笑)。
ゆかり:かわいい(笑)。
Mito:やめときー!って言われながら自分でチョキチョキ切って。で、髪の毛が下に落ちてるのを主人がコロコロで一生懸命掃除してました(笑)。
ゆかり:一応参加するみたいな(笑)。そっかー。でも、その気持ちすごくわかりますね。中途半端に、なんか毎回どんどん抜けていくっていうことのほうが、ちょっとずつ小さいショックが何回もくる感じで。もう、いっそのこと坊主にしてしまえってわたしも子どもたちにも一緒にバリカンでやってもらったんですけど。
Mito:はい。そうですよね。わたしもバリカンがあればね、バリカンでがーってやりたかったんですけど、なかったので(笑)。
ゆかり:旦那さんは剃ったりとかはしてらっしゃらない?
Mito:うちの主人は短いんですけど、毎回散髪屋さんに行ってやってもらってるんで家にはバリカンがなかったんです(笑)。
ゆかり:なるほど。そっか、じゃあ旦那さんとしては、いや、ちゃんと美容院とかでやってもらえばっていう感じだったのかな。
Mito:もう明日美容院に行っておいでよー!っていう感じでした。
ゆかり:でもわかります。もう、えいやーみたいな(笑)。坊主にする前のほうがちょっと精神的にちょっとずつあー、髪の毛なくなるんだなみたいなのがくる感じで。一回坊主になってしまえば、意外となんかスッキリして。逆に今、すごくかわいいターバンって言っていいのかな?すごくかわいい。
Mito:そうです。ターバンで、前髪のウィッグがついてるんですよ。取り外しできるんですけど。
ゆかり:かわいい。すごく似合ってます。
Mito:やっぱり、ちょっと前髪があるのとないのとでは違うかなって。
ゆかり:自然に見えますよね。なんかそういう坊主ならではの楽しみ方みたいなものもあるかなってちょっと思いますね。
そう、生活がMitoさんはお仕事を保育士さんとしてされててそれを休職ということなのでやっぱり治療を始めたことで生活は大きく変わった感じですか?
Mito:そうですね。今はもう専業主婦っていうような感じですけどね(笑)。のんびりと過ごしてるんですけど。でも、これもそうなんですけど、インスタでね、ピンクリボンアドバイザーっていう。
ゆかり:見ました。
Mito:それを勉強されてる方を見つけて、乳がんがわかってわりとすぐぐらいに見つけたんですけど。あ、そういうのもあるんだって思って。
なんかね、わたしもなんかこう乳がんを完治したら、こういうピンクリボンアドバイザーを取得して、12月10日にあるんですよ、試験が。今ちょうどお勉強もできるし、それでをぜひ取って今後に何か役立つかなと思って。
ちょっとそれでね、モヤモヤしてたのがちょっと希望の光みたいな感じで希望が持てましたね。
ゆかり:そうですね。こんなことでもなければそんな資格を知ることもなかったかもしれないし、時間もなくてね。ちょっとできた時間を有効活用して。素晴らしい。
わたしもピンクリボンアドバイザーの本だけは持ってるんですよ。資格をとるっていうよりは、こういうのって教科書的に乳がん全般のことについて知るのにすごくいいかなと思って。まだちゃんと見られてないんですけど。けっこう難しいですか?
Mito:そうですね。難しいですね。どうしよう、落ちたらみたいな。でもみんなにもこれとるよって言って宣言してるんでがんばるしかないっていう(笑)。
ゆかり:これ、あれなんですかね、試験って試験会場に行ってパソコンか何かで回答するみたいな感じなのかな?
Mito:あのね、試験会場に行くのもあったり、あとウェブ試験もあるみたいなんですよ。
ゆかり:そうなんですね。そっかそっか。じゃあ、それこそわたしもアメリカですけど受けられるのかもしれないですね。
Mito:そうですね。もうわたしもウェブ試験を申し込んでます。
ゆかり:でもそうやって日程があると、それに向かってモチベーションあがりますよね。
ピンクリボンアドバイザーの取得を目指します!ってことを周りの人にお話したってことですけど、Mitoさんはご自身が乳がんだとわかって、そのことをどれくらい周囲の方に話してらっしゃいますか?
Mito:まずは職場の方に、1ヶ月くらいあったじゃないですか。その間に一人ずつに話して。
そしたらみんなすごく優しくってね。絶対復帰待ってますからって。絶対大丈夫って言ってくれたり。いや、実はわたしのお母さんもね、何年か前に乳がんしてて、でも今現在すごい元気にしてるから絶対大丈夫ですよって言ってくれたりとか。すごい励ましてくれたりとかして。
もうみんな優しいなーって思って。で、そのときに、わたし優しかったのかな、他の人が病気だって聞いたときに、そんなに優しくできたかな?とかって思って、すごいそれも改めて気づきがありました。もう絶対みんなに優しくしようって思いました(笑)。
ゆかり:ほんとそうですよね。もちろん、Mitoさんを知ってる方だったら余計に応援したいっていう気持ちもあるし、そうでなくてもインスタグラムとかで繋がった方とかも、なんか本当に友達の友達で乳がんの治療をした人とかっていうちょっと隔てた繋がりでもすごく皆さん応援してくださるから。なんか人類の温かさを感じるみたいな(笑)。
Mito:ほんとに。あと、身近な友達とかけっこうみんなに伝えてます。応援してくれてますね。
ゆかり:普段、ま、でも今聞いているお話だとすごく辛くて何もできないっていう感じではないのかもしれないですけど、でもサポート、こう物理的に普段何かサポートしてくださる方っていうのはやっぱりご家族とかなんですかね?
Mito:そうですね。まず最初に主人に伝えたときに、すごい心配してくれてて、どうだったっていう感じだったんで。やっぱりわたし乳がんだったわーって言って。その時にね、なんかすごいごめんねって謝りました。ごめんね、乳がんだったわって。
なんか健康でいられない自分に、なんか本当に。もう今まで全然病気とか一つもしてこなくてすごく健康体だったのに、いきなり乳がんになって。で、健康でいられないっていうことにすごいなんか主人にごめんねって言ったのを覚えてます。
でも、一緒に治療がんばっていこうって言ってくれたんで。じゃあ、がんばるって。今はもう治療に専念して甘えてもいいんだって思って。これからね、治療も済んで完治したら、またそれも恩返しできるので。今は治療に専念しようと思ってがんばってます。
ゆかり:そういうところって、Mitoさんのもともとの性格というか、乳がんになる前に周りに甘えられる性格かとか。なんか、乳がんになったことで、もうちょっとそういうことができるようになったみたいな変化ってあったりしました?
Mito:そうですね。うーん、あんまり甘えるのが苦手だったかもしれないですけどね。なんでも自分でやろうと思うほうだったんで。
ゆかり:わたしもそうです。特に今はわたしも副作用がパクリタキセルって言う抗がん剤のお薬は本当に最小限の副作用で済んでいるので、ピンピンしていて。
という中で、だから一応治療はしてるんですけど、そんなに目に見えて病人とかっていう感じではないので、その辺の周りにサポートを求めるのがまだ下手だなって自分は思いますね。できちゃうからやっちゃうみたいな(笑)。
Mito:あー、わかりますわかります(笑)。
ゆかり:ま、でもできるのはありがたいといえばありがたいので、それはそれで。
Mito:なんかこうすごい検索して情報が溢れすぎててね、すごい迷ったときに何が正しいかわからなくて迷ったときにがん相談センターっていうところがあって。病院でやってるんですけどね。
で、心配だったらこういうところもあるから電話したら相談に乗ってくれるよみたいなチラシみたいなのをもらってたんですね。そこに一度電話してお話を聞いてもらったことはあります。
ゆかり:いいですね。
Mito:なんか情報が溢れすぎてて、なんかビタミンCがいいとか、添加物はとったらいけないとか、でも何がどうなのー!みたいな。
でもお話を聞いてたらね、「もうそれよく言われてるけど、そればっかりしてもダメなんですよー。今まで通りでいいから」って言われてなんか安心して。お話を聞いてもらうだけでもちょっとスッキリしたっていうか。
ゆかり:うんうん。情報が本当に山のようにあるから、いちいち、あ、あ、みたいになってたらね。
Mito:そうなんです。すごい信用するタイプなんで(笑)。
ゆかり:わたしも。だから今まで通りでいいっていうのは、わたしの先生もそういうタイプの先生で無理に生活を変えようとしたり、食べ物も食べたいものを食べればいいよっていう。変にストレスを感じないほうがいいですよってことをおっしゃってもらえたので、そう心がけるようにしてるんですけど。
乳がんになられたことに対して、人によって感じ方は違うと思うんですけど、どういう風に捉えてますか?あ、これはもうこういう運命だったんだなとか、もしくは自分を責めてしまうみたいな人もなかにはいらっしゃるだろうし、Mitoさんはどうですか?
Mito:わたしね、乳がんになってインスタグラムをやり始めたこともあって、すごいね、視野が広がったんですよ。
今までは、保育園、自分の趣味のお友達とかのそのすごい小さいコミュニティの中にいたのが、インスタを始めて、ゆかりさんとこうしてお話するっていうのもね、もう乳がんにならなかったらそんな絶対にお話する機会もなかったですしね。
それだけでもすごい世界が広がったなって思って。それだけでもすごく嬉しいです、ゆかりさんとこうしてお話できてるのが嬉しい。
ゆかり:ほんとそうですよね。こういうご縁が、その前はなかったであろうご縁だし。
英語でcancer giftっていう言葉があって。Cancerってがんのことなので。やっぱり病気になることで得るものとか、なかった発見だったりとか、だからほんとにそういう人とのご縁は同じ乳がんの治療に向き合ってる女性たちの繋がりみたいなのは本当にまさにそれですよね。
Mito:そうですね。ほんとに。
ゆかり:Mitoさん、素晴らしいですね。そう言う風に捉えられていらっしゃるっていうのが。得たもののほうが今一番最初の答えがそれだったので、そこに辿り着くまでにはいろいろあったのかもしれないですけど、今はそういう風に乳がんについて思えてる。
Mito:治ったら、ちょっとわたしの経験を活かして人に返していきたいなって思いもあるので。
この前ね、タオル帽子をボランティアでつくって送ってくださってる糸島ハートの会さんからね、タオル帽子を送っていただいたんですけど。なんかわたしその活動にすごく感動して。もう8年くらいされてるみたいなんですけどね。
ゆかり:すごいですね。乳がんになったことで、一つ前の質問にかぶるかもしれないですけど、Mitoさんは人生経験もお持ちですし、これまでもその中でどんどん人生の考え方とか生き方なんかは変化してきたと思うんですけど、今回乳がんになって特にこれまで大きな病気とかもされたことがなかったってことなので、それで自分の人生観とか変わった部分ってありますか?
Mito:そうですね。ま、最初に乳がんになったときに「なんでわたし?」って。皆さん思われると思うんですけどね。なんでわたしが乳がんにっていう。
そういう風に思ったのもあるんですけれども、なんか意味があるのかなっていうように気持ちが切り替わってきて。だからなんか、自分の経験を活かしていろいろピンクリボンのアドバイザーとかそういう感じでちょっと返していけたらなっていう風に思ってます。
ゆかり:そうですね。これにも意味があると。じゃあ、最後にこれから乳がんの治療に向き合っていきますよって言う女性にMitoさんが伝えたいこととか伝えてあげられることはありますか?
Mito:わたしも抗がん剤治療が一番嫌で、嫌だ嫌だと思ってたんですけど、でも受けたら抗がん剤治療はそんなに怖いものでもなかったし、まあ副作用は人によってそれぞれ違うんですけれども、その副作用に対するいいお薬っていうのがすごくたくさんできてるし、で、ウィッグしておしゃれして楽しく過ごせますし、もう日進月歩、医療は進んでいるので、もう未来は明るいですし、共に治療を完走しましょうって言う感じですかね。
ゆかり:完走しましょう。ちょっと長いですけど、一歩ずつ。
Mito:そうですね。
ゆかり:そう、じゃあ希望の力っていう映画をわたしも観てみます。ドキュメンタリーなのかな?
Mito:えーっとね、ドキュメンタリーというよりも、お話になってます。ドラマになってます。
ゆかり:探してみます、いい情報をありがとうございます。
Mito:希望の力っていうだけあって、わたしにも希望の力をくれました(笑)。
ゆかり:MItoさんは手術とかってだいだい決まってるんですか?
Mito:だいたい年内12月くらいにって言われてます。
ゆかり:じゃあ一緒か、わたしのほうがちょっと早いかもしれないですけど、わたしは11月yくらいかもしれないので。お互いにがんばりましょうー。
MIto:そうですね。がんばって完走しましょう。
ゆかり:はい。今回のゲストは、Mitoさんでした。どうもありがとうございます。
Mito:ありがとうございました。
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